古今伝授とは「古今和歌集(古今集)」の解釈を中心に、歌学や関連分野のいろいろな学説を、
口伝・切紙・抄物によって、師から弟子へ秘説相承の形で伝授することをいいます。
この形式を確立したのが、室町時代の武士で歌人の東 常縁(とうのつねより)とされています。
この東 常縁をはじめとする東氏一族は、鎌倉時代から戦国時代初めにかけて、このあたりを治めた領主でした。
その東氏一族が1代320年間もの長い間拠点を置き、城と館を構えたのが、郡上市大和町です。
昭和54年の圃(ほ)場整備の最中に、この東氏一族の館跡が発掘されたことをきっかけに、
「古今伝授」「東氏」に注目が集まり、当時の町では、世代や分野を超えて多くの人々がこれを学び、
まちづくりにつなげる活動を行いました。
「古今伝授」の中核は、古今和歌集の講釈と、「三木三鳥」などの秘説を切紙で授けることです。流派により異なりますが、
三木は、おがたまの木、めどに削り花、かはなぐさ
三鳥は、よぶこどり、ももちどり、いなおほせどり とされます。
「古今和歌集」に代表される、日本人が培ってきた自然観や美意識、人々の営みの美しさを大切にしながら、これからも歩み続けます。