古今伝授とは

郡上大和と古今伝授

郡上大和と古今伝授

古今伝授とは「古今和歌集(古今集)」の解釈を中心に、歌学や関連分野のいろいろな学説を、
口伝・切紙・抄物によって、師から弟子へ秘説相承の形で伝授することをいいます。
この形式を確立したのが、室町時代の武士で歌人の東 常縁(とうのつねより)とされています。
この東 常縁をはじめとする東氏一族は、鎌倉時代から戦国時代初めにかけて、このあたりを治めた領主でした。

その東氏一族が1代320年間もの長い間拠点を置き、城と館を構えたのが、郡上市大和町です。
昭和54年の圃(ほ)場整備の最中に、この東氏一族の館跡が発掘されたことをきっかけに、
「古今伝授」「東氏」に注目が集まり、当時の町では、世代や分野を超えて多くの人々がこれを学び、
まちづくりにつなげる活動を行いました。

古今和歌集と東常縁

古今和歌集と東常縁

東常縁 肖像画

「古今和歌集」は日本最初の勅撰(ちょくせん)和歌集です。
勅撰とは、天皇の命令によって編集された、という意味です。905年、醍醐天皇の命を受けた紀貫之(きの つらゆき)ら4人の撰者により著されました。しかし、成立後 100 年も経つと、歌の本文や解釈に疑問が生じ、さまざまな解釈が行われるようになりました。

鎌倉~室町時代にかけて当地の領主であった東(とう)氏の9代目当主・東常縁は、「新古今和歌集」や「百人一首」で知られる藤原定家の流れを汲む御子左(のち二条流)の和歌の流れを受け継ぐとともに、正徹や尭孝といった当代きっての歌人に学びました。
やがて、切紙による伝授方法を取り入れ、古今和歌集や関連するいろいろな分野の学説を連歌師・宗祇に伝授しました。この切紙を中核とすることにより、「古今伝授」の形式が確立しました。これにより、東常縁は「古今伝授の祖」と言われています。

古今伝授の里やまと -和歌の心を現代に- 

施設名にこめられた『三木三鳥』

道の駅 古今伝授の里やまとのすべての施設では、名前やモチーフ、コンセプトなどにすべて「古今伝授」の要素が用いられています。

四季食彩レストランおがたま

四季食彩レストランおがたま
道の駅古今伝授の里やまと
くつろぎ広場

手づくりパンの店 かはな草

手づくりパンの店 かはな草
道の駅古今伝授の里やまと
くつろぎ広場

短歌の里交流館よぶこどり

短歌の里交流館よぶこどり
古今伝授の里フィールドミュージアム

レストランももちどり

レストランももちどり
古今伝授の里フィールドミュージアム

「古今伝授」の中核は、古今和歌集の講釈と、「三木三鳥」などの秘説を切紙で授けることです。流派により異なりますが、
三木は、おがたまの木、めどに削り花、かはなぐさ
三鳥は、よぶこどり、ももちどり、いなおほせどり とされます。
「古今和歌集」に代表される、日本人が培ってきた自然観や美意識、人々の営みの美しさを大切にしながら、これからも歩み続けます。

古今伝授の里やまと まめ知識

青空に舞う鮎のぼり

青空に舞う鮎のぼり

五月の節句に青空に舞うのは鯉のぼり。古今伝授の里やまとでは鮎が焼ける日は「鮎のぼり」が空を舞っています。
郡上市の美しい自然が育んできた清流を遡上する力強さと、優美な姿の鮎は、かつては皇室に献上されていたという歴史を持ち、多くの市民に親しみ愛されており、郡上市を象徴する魚となっています。

自慢の庭はスタッフお手製

ナチュラルガーデンはスタッフお手製

「道の駅 古今伝授の里やまと」の看板でもあるお庭の手入れはスタッフたちで行っています。
季節の花の入れ替えやライトアップなど、お客様がホッと一息できるお庭になるよう趣向を凝らしています。